施術の種類によって、ピアスをつけたままで問題ないかは異なります。それぞれの施術内容とリスクを把握しておくことで、事前の対策がしやすくなります。
まず、最もリスクが高いとされるのはカラーやパーマといった薬剤を使用する施術です。これらの施術では、薬剤が肌やピアスに付着することでアレルギーや金属腐食などのトラブルを招く可能性があります。
施術別に見たピアス着用時の注意点を以下にまとめます。
施術内容 |
主なリスク |
注意すべきピアスタイプ |
対策例 |
カット |
コームやハサミがピアスに引っかかる可能性あり |
フック型・大きいデザインピアス |
スタッド型に変更または外す |
カラー |
薬剤がピアスやホールに付着し、かぶれや炎症を起こす可能性 |
金属ピアス、ファーストピアス |
保護テープでカバー、透明ピアスに変更 |
パーマ |
薬剤によるアレルギーや熱処理による変形の可能性 |
樹脂系ピアス、装飾性の高いピアス |
シリコンカバーを装着、耳を覆うタオル対応 |
シャンプー・ブロー |
ドライヤーや指がピアスに接触することでトラブルに |
リング型、長さのある装飾品 |
イヤーキャップで保護、なるべく外すのが理想 |
上記のように、カットでもピアスがコームに引っかかることがあり、思わぬ出血やホールの拡張を招くこともあります。特に軟骨部分のピアスは引っ張りに弱いため、慎重な判断が求められます。
また、カラー剤やパーマ液は思いのほか飛びやすく、耳たぶ周辺に付着すると金属の変色や皮膚のトラブルの原因になります。ファーストピアスや開けたて1週間未満のピアスホールでは、完全に安定していない状態なので、こうした薬剤の刺激で炎症や化膿を引き起こしやすくなります。
透明ピアスやシリコンキャップを活用することで、ある程度のリスクは軽減できますが、完全な予防策とは言えません。特に薬剤を使う施術では、事前に「外しても良いか」「保護した状態で可能か」など、美容師と確認しておくことが理想です。
引っ掛けやすいデザインのピアスや、複数のピアスホールがある場合もリスクが高まるため、施術前の対応が必要になります。ピアスをどうしても外したくない方は、以下の方法で安全性を高めることができます。
・施術前にピアスの存在を伝える
・透明ピアスに変更する
・イヤーキャップや絆創膏でピアスホールをカバー
・美容室の受付時や電話予約時に相談する
このように施術別にピアスのリスクを把握し、適切な対処を講じることで、美容室でのトラブルを未然に防ぐことができます。自分のピアスが施術にどう影響するかを理解することは、安心しておしゃれを楽しむための第一歩です。
施術前に数分でできる確認と保護策が、ピアスも髪も守る最大の鍵です。薬剤や器具から耳を守るのは美容師だけでなく自分自身の準備次第。今日紹介したポイントを実践すれば、好きなデザインを諦めずに理想のスタイルを安心して楽しめます。
小さな一手間が、大切なホールを長く健やかに保つ最良の投資になることを忘れないでください。次の来店時には、カウンセリングシートにピアス情報を記入し、施術中は鏡越しに位置をチェックすると、さらにトラブルを遠ざけられます。自分の耳を守る主役はあなた自身です。今日から始めてみましょう。